海外、国内15社を束ねた、ホールディングスとしてのIPOを目指す。圧倒的に成長できる管理部門【株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏】

株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏

『世界に、日本の冒険心を』というパーパスを掲げ、『80億の、心をうちぬけ』というミッションのもと、次世代Virtual esports Project「ぶいすぽっ!」やバーチャルミュージックレーベルを擁する「RIOT MUSIC」などVTuberの総合プロデュースを行うIP事業、バーチャル学園都市「MEキャンパス」を運営するPlatform事業、ゲームの上達に特化した「CR Gaming School」を運営するesports事業をはじめ、XR事業、DX事業、Incubation事業と、幅広い領域で複数の事業を展開している株式会社Brave group。

共同創業を経て、2020年に代表取締役に就任した野口圭登氏に、これまでのハードシングスと今後の展望を聞いた。

【Profile】

株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏

2011年の在学中に株式会社Vapesを創業。2016年に同社を株式会社ベネッセホールディングスへ事業譲渡、50社以上のスタートアップへのエンジェル投資、共同創業を経て、2020年に株式会社Brave group代表取締役に就任(現任)。

目次

ベネッセグループ会社社長を経て、Brave groupを共同創業

株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏

ーーはじめにBrave group代表取締役に就任するまでの野口さんのキャリアをお伺いしたいです。

Brave group自体は2017年10月創業で、2024年2月現在で7期目の会社です。私のキャリアとしては、大学3年生の2011年にVapesという会社を起業しまして、それが起業家としての始まりです。

Vapesでやっていたのはペットオーナーさん向けのメディア事業とアプリ事業で、その会社を2016年にベネッセに売却して、その後はベネッセグループ会社の社長をやりながら、70〜80社ほどエンジェル投資をしていました。エンジェル投資をしながら、10社くらいの会社を共同創業という形で立ち上げていて、そのうちの1社がBrave groupになります。

ーー若くして起業家としてのキャリアを順調に進まれていたかと思いますが、Brave groupの創業にチャレンジしようと考えた背景はどういったものがあるのでしょうか?

元々私は若いころから大きい会社を作りたいと思っていました。ただ、大学生の時に起業したVapesでは事業も組織も大きくできなかったという反省があります。

その反省を踏まえて2社目をもしやるとしたら、グローバルに出て事業、組織の規模を大きくしたいと考えていました。

エンジェル投資をしていたのも、勝負できる種を探すためで、いくつかは共同創業という形で実際に事業に携わっていました。

共同創業した会社は、調達市場のDXサービスを提供するLeaner Technologies社をはじめとしてBrave group以外にも伸びているところがあるのですが、VTuber領域は私の一番の関心領域で、かつ事業も伸びていたということもあって、ベネッセグループ会社の社長をやりながら比較的深く関わっていました。

そんな中、2019年にゲーム部プロジェクトが大炎上しまして、社員が100人くらいいるのに、売り上げがほとんどゼロになってしまったんです。

毎月大きな赤字が出ていたので、事業整理をしたり、私自身も数千万円単位の自己資金を会社に入れ、毎日投資家に会って資金調達したりして、なんとか再建しました。

売り上げがほとんどゼロになった時点で、すべてを清算して新しく会社を立ち上げるという選択肢もあったのですが、Brave groupのファイナンスは私がやっていたので、「お世話になった方々に不義理をしたくない」という思いが強くあり、ここから復活させることが自分の責任だろうと立て直すことを決意しました。

ーーすさまじいハードシングスですね。自身のポケットマネーで赤字を補填しながら、そこから売り上げはどのように伸ばしていったのでしょうか?

経営統合が大きかったです。私の強みは仲間集めとお金集めで、事業を0→1で作っていくことではないので、事業を創れる人とタッグを組むのがベストであり、事業創りに強い人がやっている会社と経営統合をしていけば伸びていくのではと考えていました。

Brave groupを引き継いだ時に、グリー創業者の田中さんから「自分の強みを活かした、得意な経営をした方がいい」と言われて、なるほどと思い、「事業をやりたい人にどんどん権限移譲をして任せる」ことと「事業に集中してもらえる環境を用意する」ことに注力して、現在の規模まで伸ばしてきました。

「事業をやりたい人にどんどん権限移譲をして任せる」ことで言えば、現在のRIOT MUSIC代表取締役の武田は元々総務として入社したメンバーでしたが、自分にやらせてほしいと自分から企画をあげてきて、プロジェクトが始まったという事例もあります。

「事業に集中できる環境を用意する」ことに関しては、まさにBrave groupでやっていることなのですが、VTuber業界はあまりにも1位、2位の会社が強いので、もう3位以下でやっていても仕方ないのでは?ということで、VTuber会社の社長を集めて、みんなで一緒にやろうということで集結しています。

ーー仲間を集めると言っても簡単なことではないと思うのですが、どういった話をされて一緒にやることになるのでしょうか?

結論としては対話を繰り返すということになるかなと思います。

一朝一夕では意思決定できないことだと思うので。

2024年現在、経営統合している会社が6社あるのですが全部リファラルなんですね。

元々、私と関係値のある方や、取引先の方と対話を繰り返しながら、一緒にやっていく道を模索しました。

一緒にご飯を食べて、議論をして、一緒になったらもっと大きくできるよね、というビジョンを描くということをずっとやり続けて来ました。

急激に伸びているVTuberマーケットを「IPの再現性」と「キャラクター数」を強みに取りに行く

株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏

ーーBrave groupの今後のビジョンについてお話しいただけますでしょうか?

最近Purposeを新たに策定し、Visionやロゴを刷新しまして

・Purpose(存在意義):「世界に、日本の冒険心を」

・Mission(使命):「80億の、心をうちぬけ」

・Vision(中長期目標):「時代をつくる、事業家集団へ」

と設定しました。

日本発でグローバルにチャレンジする、世界で戦えるIPを作るということを軸にして、経営も採用も強化しています。

ーー具体的な事業内容についても教えていただきたいです。

一番の主力事業はVTuber事業で、業界で3位のポジション、未上場だと弊社が一番大きいという状況になっています。

日本で一番VTuberのプロジェクト数が多く(準備中のものも含めると10個以上)、ゲーム特化のプロジェクト、音楽特化のプロジェクト、とテーマを区切って次々とプロジェクトを生み出していっている点が特徴です。

ーー採用の際には候補者の方の希望を聞いて配属するプロジェクトを決められるのでしょうか?

テーマごとに、ゲームなら「ぶいすぽっ!」を運営している株式会社バーチャルエンターテイメント、音楽なら「Blitz Wing」や「Meteopolis」などを運営している株式会社RIOT MUSICと会社が分かれているので、会社ごとに応募される方が多いです。

あまり多くはないですが、「ぶいすぽっ!」に応募された方に、Brave group本体のポジションの方が向いていそうなのでどうですか?と提案させていただくこともあります。入社後のグループ間異動もあるので、そのあたりは臨機応変にという感じです。

ーーVTuber事業のマーケット環境は2024年現在どうなのでしょう?

VTuberのマーケットはめちゃくちゃ伸びています。

世界中のVTuberスタートアップが日本のVTuber企業に追いつき追い越せということで続々と出てきていて、マーケットの広がりをまさに感じています。

Netflixがあるおかげで、日本のアニメを今世界中の人が見ていて、昔はアニメはオタクが見るものという感じがありましたが、今は大衆に受け入れられています。

VTuberの市場もそうですが、アニメコンテンツの市場が世界中に広がっています。

ユーザーは接触頻度が高いコンテンツを求めているので、毎日配信するVTuberが受け入れられているのだと思います。

AKB48は「会いに行けるアイドル」をコンセプトに握手会イベントなどを頻繁に開催して人気コンテンツになりましたが、握手会は毎日できません。

その点、VTuberは毎日配信していて、ちょっとでも投げ銭をするとありがとうと言ってくれてというのは、ユーザーの熱量を上げるといった面で強いです。

そういった様々な面の相乗効果で、マーケットが急激に伸びているのだと思います。

ーーその成長著しいマーケットで、Brave groupはどんな戦略で勝っていこうとしているのでしょうか?

大きく分けると2つありまして、1つは「IPの再現性」、もう1つは「M&A」です。

うちは複数のIPの立ち上げをやっているので、プロデューサーが挑戦している回数が非常に多いです。

打席に立ち続ける、チャレンジし続けるということ自体が優位性に繋がるということと、プロデューサーが育ってくるということが「IPの再現性」を高くしていく要因になると考えています。

エンタメは浮き沈みが激しいので、同じIPがずっと勝ち続けるということは少ないです。

そう考えると、「IPの再現性」の高さが継続的な成長のカギになるというのが1つです。

2つ目の「M&A」に関してですが、これまでは国内でVTuber企業を中心に経営統合を行ってきました。今後は海外も含めてIP事業を中心とした経営統合を行い、さらに仲間を増やしていく予定です。

ーーBrave groupの強みの源泉になっている組織カルチャーについて教えてください。

うちはあえて子会社の数を多くしていて、子会社の数だけ社長になれる、取締役になれるという組織にしています。「ポジションが人を作る」と考えているので、成果を出した人材にはどんどん裁量を渡しています。

子会社の社長は社長兼プロデューサーという感じで、コンテンツに関する意思決定も担っている人がほとんどです。

特徴的だと思うのは、うちは本体より子会社の方が権限が強いので、子会社は事業に集中して、本体は後方支援に回っているという構図です。子会社が事業に集中するために、本体でコーポレート機能などは巻き取っています。そのため、本体が上というよりも、本体が下から子会社を支えているみたいな組織になっていまして、これは割と新しいスタイルなんじゃないかなと思います。

ーーどういった方がフィットしやすいカルチャーなのでしょう?

とにかくアグレッシブに挑戦する会社なので、挑戦を楽しめる方はフィットしやすいかなと思います。

日本のtoCスタートアップで、ここまでM&Aなどをして、海外拠点を作って、本気でグローバルを取りにいこうとしている会社はすごく少ないと思うので、そういう難易度の高いことに一緒に挑戦してくれる方は大歓迎です。

あとはサイバーエージェントやグリー、MIXIといった、インターネット業界でエンタメに携わってきて、また新しい挑戦がしたいと言って入ってくれる方々も多いですね。

海外の子会社4社と国内の子会社11社の15社を束ねた、ホールディングスとしてIPOを実現する

株式会社Brave group 代表取締役:野口 圭登氏

ーー今後の動きとしては、IPOを目指していくのでしょうか?

数年以内のIPOを目指して準備を進めています。

マーケットも非常に伸びていますし、売り上げ規模も倍々で成長しているので、注目度の高いIPOになるといいなと思っています。

今後、肝になってくるのは海外売上比率をできるだけ上げていくということと、上場後も国内・海外でM&Aをして増収増益のモメンタムを維持するということです。

現状の課題は海外事業をグロースさせることと、それに紐づく管理体制の構築です。

海外の子会社4社と国内の子会社11社の15社を束ねた、ホールディングスとしてのIPOを実現するための管理部門人材を採用したいと考えています。

ーーなかなか採用が難しそうですね。現在の管理部門はどういった方が活躍されているのでしょうか?

成長意欲が強い人が多いと思います。

管理部門は定型業務が多くなってしまいがちですが、うちの管理部門は型を作っていく必要があるので、そういったクリエイティブな管理系の仕事をして成長したいという人が集まってくれています。

ーー海外含めた15社のホールディングスIPOを経験したら、どんなIPOにも対応できるようになりそうですね。

絶対できると思います。

会社全体でめちゃくちゃボールがあるので、未経験でもたくさんボールを拾っていくと、いろいろなことができるようになるというフェーズかなと思います。

ーー成長というキーワードが出ましたが、成長するために一番重要なことはなんだと思いますか?

やっぱり量と経験値だと思います。いろいろなことにチャレンジする量がめちゃくちゃ重要です。

うちの管理部門は経験の量と幅が圧倒的なので、成長できると思います。

ーー本日お話を聞いて、成長したい、挑戦したい管理部門の方にはすごくいい環境だなと感じました。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

株式会社Brave groupの求人情報

募集職種 オープンポジション(人事)
仕事内容
  • 人事全般 
  • 採用/採用広報 
  • 労務 
  • 人事企画 
  • 組織開発 
  • 海外人事
求める人物像
  • Brave groupのPurpose,Mission,Vision,Valuesに共感頂ける方 
  • 会社とともに成長したいというベンチャーマインドをお持ちの方 
  • 幅広く新しいことにチャレンジしていける方 
  • 受け身ではなく、自分から率先して動ける方 
  • 社内外との良質なコミュニケーションが取れる方 
  • 常に自分事として捉え、ビジネス視点で物事をとらえられる方 
  • エンタメが大好きな方

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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撮影:渥美健太

取材/執筆:大場諒介

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